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人々と民族衣装

ASEAN地域には6億5千万人以上の人々が暮らしています。多様な民族の人々が暮らしており、話されている言語や信仰されている宗教も様々です。

ASEAN諸国には、それぞれの歴史や文化を背景とした多様な民族衣装があります。同じ国であっても、民族や地域、行事によって衣装は大きく異なります。本ページで紹介する人々と衣装は、ASEANの多様な文化の一部を示すものであり、すべてを網羅するものではありません。
ここでは、ASEANに暮らす人々の姿をイラストで示し、それぞれの服装の一例を紹介しています。

ASEANの人々

マレー系イスラム教徒の女性

ブルネイのマレー系イスラム教徒の女性

ブルネイの人口の多くがマレー系のイスラム教徒です。イスラム教徒の女性は肌の露出を控えた『バジュ・クロン』を着用し、『トゥドン』というスカーフで髪を隠しています。

マレー系イスラム教徒の男性

マレー系イスラム教徒の男性

金曜日にモスクに行く際や正装として着る『チェラ・メラユ』という丈の長い長そでシャツとズボンの上に、腰巻の『シンジャン』を身に着けています。ブルネイの正装用のシンジャンには、銀や金の糸が使われることもあります。頭にのせているのは『ソンコ』という帽子です。

中華系の女性

マレーシアの中華系の女性

マレーシアの人口の約2割は中華系です。旧正月(春節)には、家族や親せきで集まり、お祝いのパーティが開かれます。女性はモダンなチャイナドレスを着ることもあり、手にしている赤い封筒(アンパオ)は、日本のお年玉のようにお金をもらう習慣です。

マレー系イスラム教徒の男性

マレーシアのマレー系イスラム教徒の男性

マレーシアの人口の6割はイスラム教徒です。ズボンの上に伝統的な襟なしの長そでシャツ『バジュ・メラユ』を着ています。シャツの上から腰巻の『サンピン』を身に着けています。頭にのせているのは『コピア』という帽子です。

ベトナムの女子高生

ベトナムの女子高生

ベトナムの民族衣装で「長い着物」という意味をもつ『アオザイ』は、18世紀に伝えられた中国服が起源です。男女用とも両脇に入ったスリットが特徴で、『クワン』というゆったりしたズボンと合わせて着るのが一般的です。白いアオザイは学生の制服として着られています。

ベトナムの男性

ベトナムの男性

ベトナムの民族衣装である『アオザイ』をデニムと合わせて着ています。男性は結婚式など式典の場で着ることが多い衣装です。伝統的なアオザイの着こなしをするときは、それ用の帽子もかぶります。

仏教寺院を
参拝する女性

仏教寺院を参拝する女性

仏教寺院を参拝するときには、白い刺繍入りのブラウスである『アオ・パク』と『サンポット・ボット』というスタイルを組み合わせた装いがよく見られます。『サンポット』とは、カンボジアの伝統的な巻きスカートのことです。伝統的なサンポットは、絹の絣(フリガナを付ける:かすり)で作られています。

カンボジアの
式典に参加する男性

カンボジアの式典に参加する男性

式典では、絹で仕立てた伝統的な上衣『アヴ・ホル』を、スラックスなどと合わせて着ることがあります。『アヴ・ホル』は、改まった場で着用されることの多い男性の伝統的な上衣です。

ラオスの花婿

ラオスの花婿

正装である筒状の布でできた絹の『サロン』と絹の上衣を着ています。普段着としてのサロンは木綿素材が好まれていますが、結婚式など儀礼の時は絹を選ぶのが正式です。腕にはたくさん白い木綿の紐が結ばれています。これは『バシ』という儀式で家族や友人が彼の幸せな結婚を願って祈って結んだものです。

ラオスの女子高校生

ラオスの女子高校生

筒状の布でできた『シン』の制服を着ています。制服のシンに合わせる靴はサンダルやスニーカーや革靴など、人それぞれ。

タイの男性

タイの男性

男性の正装である『スア・プララーチャターン』という立襟のジャケットを着ています。1977年にプミポン国王(当時)がデザインを決めて着用を推奨し、一般に広まりました。

タイの花嫁

タイの花嫁

タイ女性の正装である『シワーライ』を着ています。シワーライは、長方形の布を胸に巻いて着るトップス『サバイ』と『パ・ヌン』と呼ばれる筒状のスカートで構成されます。

ミャンマーの
花婿

ミャンマーの花婿

男女共通の民族衣装である筒状の布のスカート『ロンジー』の男性用『パソー』を巻き、『ガウンバウン』という帽子をかぶっています。パソーは普段から着られていますが、この男性は結婚式向けの絹のパソーを巻いています。足元はフェルト素材のサンダルを合わせています。

ミャンマーの
ティーンエイジャー

ミャンマーのティーンエイジャー

日常的に着られている伝統的な筒状の布のスカート『ロンジー』の女性用『タメイン』の上に『エンジー』と呼ばれる上着を着ています。頬につけているのは天然の化粧品『タナカ』です。ロンジーの結び方は男女で異なり、男性は体の正面で、女性は左右にずらして結ぶのが特徴です。

フィリピンの男性

フィリピンの男性

男性の正装『バロン・タガログ』を着ています。バロン・タガログはパイナップルなどの繊維で作った薄手の生地でできており、前面に刺繍が施されています。

フィリピンの女性

フィリピンの女性

女性の正装『テルノ』を着ています。張り出したバタフライ・スリーブが特徴的で、約400年間、スペインの植民地であった影響が表れています。

インドネシアの
ジャワの男性

インドネシアのジャワの男性

『ブスカップ』と呼ばれるジャケットを身につけ、バティックの筒状の布でできた『サロン』を合わせています。

インドネシアの
西ジャワの女性

インドネシアの西ジャワの女性

ジャワ人、スンダ族やバリ人女性の正装『クバヤ』は、レースやオーガンジー等を用いた丈の長いブラウスの一種。ボトムはバティックの筒状の布でできた『サロン』を合わせています。

シンガポールの
中華系の男性

シンガポールの中華系の男性

中華系シンガポール人の伝統衣装のひとつである、『唐装(タンジュアン)』は満州人の民族衣装が原型とされています。

シンガポールの
インド系の女性

シンガポールのインド系の女性

シンガポールには、中華系に次いでインド系の人々も多く暮らしています。インド系の女性は、サリーと呼ばれる伝統衣装を身につけることがあります。宗教や文化も多様で、ヒンドゥー教のお祭り「ディーパバリ(光の祭り)」などが盛大に祝われます。

東ティモールの女性

東ティモールの女性

伝統的な手織りの布『タイス』を使ったスカートをはいています。タイスの模様や色は、地域や家族によって違います。

東ティモールの男性

東ティモールの男性

お客さんを迎えるときなどに、伝統的な『タイス』を首や肩にかけることがあります。

ASEANの国々で
見かけられる
普段の服装の例

ASEANの国々で見かけられる普段の服装の例
左:マレーシアのインド系男性
右:ブルネイのマレー系イスラム教徒女性

マレーシアやブルネイの『バジュ・クロン』やミャンマーの『ロンジー』など、日常的に着られている伝統的な服がある一方で、ASEANの国の多くでは、民族衣装は結婚式などのフォーマルな場面でのみ着るものとなってきています。